2月のドイツ日記

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物欲(2月第3週)


またまた更新をさぼり気味。生活に慣れてきて、あんまり目新しい話題が見つからなくなったせいと言えなくもないが、実際は毎週いろいろなことはある。更新が滞るのは、やはりこのところ本務の研究(笑)に少し力を入れているからだ、と主観的には思うのだが。

 このページをそもそも誰に向けて書いているかというと、不特定少数のたまたま見に来た人がもちろん対象なんだけど、基本的には未来の自分宛な訳で、このあたりがきちっと整理しきれないと言うか、「読まれる」ことを意識するのがいかんのだ。

 ドイツの冬はすごく寒いと聞いてきたし、こっちに来てからもそう言われたのだけれど、今年はあまり寒さが続かなかったようだ。12月の中旬から1月初めくらいがすごく寒く、昼間でも氷点下だったり雪が15センチくらい積もったりした。でもその後暖かくなり、ちょっと戻ったりもしたけれど、「すんごく寒くて頭の芯まで冷える」ような感じにはならなかった。僕は冬でもいわゆる「ズボン下」をはかないんだけど(スキーに行ったときのタイツだけが例外)、ドイツに行ったら買わなきゃな、でも足が短いからサイズが合うかな、とか思っていたが、そんな心配は無用であった。むしろフランクフルトあたりは風がそれほど強く吹かないし、家の中はどこも同じように暖かいので、日本より楽な冬だったぞ。大掃除もしなかったから、寒い時期の水仕事もなかったし。

 こうなると怖いのは日本の夏。帰国まで半年を切り、このことは我が家でも大きな話題。こちらは7月でもきっと20度くらいの過ごしやすい湿度の少ない気候で、そこから気温35度湿度95%くらいの日本へ帰るのは怖い。時差ボケとかよりも暑さボケしそうで怖い。1年間作動させなかったエアコンはちゃんと動くだろうか。うちのエアコンはちょっとパワーがないし、ビビリ音がすごくうるさいから買い換えたいなあ。冬も冬で、どうしたってこっちでの過ごし方と比較してしまう。冬の寒さ対策のためには、ここらでガスストーブにしたいなあ。灯油って入れにいくのが寒いし、石油ファンヒーターのあの風の出方があんまり好きじゃないし。洗面所も寒いしなあ、などなど。買い物が増えそうだなあ。

 さて買い物といえば、僕はこちらへ来てからほとんど買い物をしない。いや食料品の買い物とかでスーパーとかはしょっちゅう行くんだけど、そうじゃない自分の買い物。たいていは本、雑誌とか文具とかその他買う必要のないものを買うのだ(^^;。 そういうのをしていない。買いたいものがないわけじゃなくて要するに節約生活。そこで改めて思うのは、オレって物欲が強いんだなあってこと。日々のいろいろなストレスを、ちょっとした買い物で発散していたのかもしれないってことですね。女性にはそう言うのがよくあるとどこかで読んだ気がしないでもないが、僕の場合はブランド物をドーンと買ったりはしないけど、ちょこちょこくだらんものを買うんだな。

 で、今はそういうストレス発散ができないので、いきおい代替規制が働いて、よくインターネットのショッピング関係ページを見ることになる。日本ではそれほどそういうの見なかったから新鮮。いまや何でも買えるし、よく調べられるし、楽しい。買いたい物がたまる一方。日本に帰ったらあれを買ってこれも買って……と思って手帳にメモしたりするんだけど、実際はそうもいかないんだな。以上書いたこととは矛盾するけれど、僕は根が貧乏性で、いざ買おうという段になるとひるみがちなんだな。でもいまチェックしているものを、今こそ未来の自分宛に、書いておこう。

・オーディオ。今まで何度かミニコンポを買って、わりとすぐ壊れちゃって、以後CDラジカセしかないんだが、もう人生の折り返し点も過ぎたことだし、最低限の線でそろえてみたい。アンプはmaranzの一番安いやつ。スピーカーはBOSEの一番小さいやつ。あとは適当。何を聞くのかって? 人生は長いから、あとで考えよう。

・棚。家のリビング周りの環境改善。いつまでも使えることを前提に考えて、インターネットで見つけたパイン材無塗装仕上げの組み立て家具のあれ。

・机。小さいの。リビング改善の一環として、ピアノの横に小さい机を置き、iBookを置く。今のところ無印良品のあの机。

・ダイニングテーブル。買い換え。少し大きいやつ。これだけは、わが大蔵大臣も了承しているらしい(笑)。これもインターネットで見つけた天板厚7センチのあれだ。

今日の買い物はこのくらいにしておこう。僕の頭の中ではこれらはすべて関連していて、レイアウトも完了。どれ一つ欠けてもいかんのだが、はたして叶うだろうか。いやいや、夢は叶うものじゃなく叶えるものだと、むかし安室奈美恵も歌っていたはずだ。
(この項終わり)



ファッシング(続々)(2月第2週)


僕らの住んでいる町、ヘッデルンハイムのファッシングの様子を書くと予告してしまったので、書こう。「町」といっても、ここもフランクフルトの市内。だけどここヘッデルンハイムだけが、特に火曜日をファッシングのために割り当てられているらしい。調べてみると、それは19世紀、フランクフルトがナポレオン軍に占領されて仮装や祭り、集会が禁じられたころにさかのぼる歴史があるそうだ。当時はフランクフルト市に属していなかったヘッデルンハイムでは仮装や祭りが禁じられていなかったために、祭り好きな連中がここまでやってきて(といってもフランクフルトの中心部から5キロくらい)ファッシングをすることにしたらしい。その時ついた町の愛称が「小さなパリ」。

 第二次大戦後になって、フランクフルトのファッシングを統一しようという話もあったらしい。でもそのときにはヘッデルンハイムの人たちは、この19世紀の歴史、そしてヘッデルンハイムには2000年前にローマ帝国の代官が置かれていたという歴史まで持ち出して、独自のファッシングを守ったらしい。そういうわけで、今日ではフランクフルト市内のほんの小さな街区に過ぎないここヘッデルンハイムは、ケルンやマインツといった大司教の置かれる都市のファッシングと並んで、ファッシングの行進を組織できるのだそうだ。

 ヘッデルンハイムのファッシングのスタートは火曜日の14時31分ちょうど。僕らはまずパレードのスタート地点の道路をチェックしてから(住まいのすぐ近く)目抜き通りのよく見えそうなポイントを確保。この日は午後から通行止めで、もはや車も入れないし、バスも運行ルートを変更するか運休。スタート地点の近くに陣取っていたので、14時35分頃から1時間くらい、またまたアメの雨を浴びました。気合いの入った仮装の人々はここヘッデルンハイムにもたくさんいた。

 我が家であとで議論したこと。小川町もわりと気合いの入った七夕祭りがあるんだから、みんなで仮装したら面白いのに。町内各種団体のみこし(?)をもっと大胆に、派手に、名物になるようにできないものか。屋台を見て回って飲み食いするだけじゃ一般人もつまらない。みんな仮装してくるようになったら面白そう。(刺繍入りの特攻服の集団が駅前で座り込んでるのを毎年見るけど、あれで面白いパフォーマンスをしてくれればいいんだけどね。連中もあれで自己アピールして最大に七夕祭りを楽しんでいることは間違いないわけで。。。)



ファッシング(続)(2月第2週)


さて2月10日。フランクフルトのファッシングは13時31分ちょうどに始まることになっているそうだ。旧市街のあたりをたくさんの仮装行列(?)が練り歩くらしい。というわけで、我が家も昼過ぎに旧市街へ。そのあたりの駅へ着いて、人並みが流れていく方へ進むと、いるわいるわ、牛とか虎とか死に神とか。妻と長男はすでに昨日、あちこちで見かけたらしいけれど、赤ちゃんから大の大人まで、文字通り老若男女がいろいろ仮装したり、顔にペイントしたりしている。してない人もそれなりにいて、ひと安心。

 レーマー広場横のテレビ局の仮設スタジオがあるあたりが一番混んでいるようだけど、それほどの混みようでもなく、少し離れたところに陣取る。道路を練り歩くらしく、仮設の柵が設けられている。1時くらいになってもそれほど混雑はなくて、もっといいポイントがあるのかもね、なんていっていたら、次第に混んできた。いい感じに人も増えてきたところで、FES(フランクフルトエネルギー公社? 普段はゴミ収集と道路清掃の会社なんですが)のユニフォームを着たお姉ちゃんたちがファッシングのかけ声「へーらーぅっ!」をかけながら、キャンディをまいて歩き始めた。まるで成田山の豆まきのようだ。

 その13時31分を過ぎても、このあたりではしかし何も始まらず。スタートしはじめてはいるんだろうけど、いつになったらここまでくるやら。東京ディズニーランドのパレードを待つ気分。少し雨もぱらつくし、ちょっと冷えてきた。

 と!!来ました! 予想通り先頭は馬だ。マーチングバンドのようなものが行き、あとは各種団体の行進が続く。変な仮装のチームもあるし、ちゃんとしたユニフォームのチームもあるけれど、目玉は大型トラクター(なぜトラクターなんだ?)やワゴン車にひかれた大きな台車の上から、「へーらーぅっ!」のかけ声とともに沿道にむかって際限なく投げられ続けるお菓子の雨だ(←いちおうだじゃれ。)。道路にこぼれ落ちたお菓子は子どもたちが広い集める。帽子を広げて取るなんていうのはかわいい方で、傘をおちょこにしてがばがば集めている人もいた。最初は一個でも多く取りたくてどきどきしたけれど、あまりに際限なく続くので、もうこのくらい取れば充分だろ、ってな気分になった。いったいどれほどの量の飴やポップコーンやチョコレートをまいたのか、想像もつかないぞ。なにしろ1時間半たって僕らが帰ろうとした頃、まだ僕らの前を100団体くらいしか通過していなくて、その後ろにさらに100団体はあったからね。

 参加している団体は、ほとんどがこれ専門の「ファッシング・クラブ」らしい。よくわからんが。その他に、普段はダンスクラブだったり、コーラスクラブだったりするのもあるようだ。プロバスケットのチアリーダー・チームも踊っていたな(このチームはなぜか全員金髪ロングヘアで、いかにもそれっぽかったので、僕にはとても印象的だったのだ)。それはさておき、さっすがドイツの5番目の季節。このときのために1年間準備して一気に発散してるのかな。よくわからんが(^^;

 仮装行列に参加している人たちが盛り上がっているのは当然として、見ている方も好きずきに仮装して声を出して盛り上がっているところ、あまり混んでいなくてぎすぎすとげとげした雰囲気でないところがとてもよかった、というのが我が家の感想。日本だと、「少しでも良いところで見たい」と思ってなんだかぎすぎすしたりすることがある(おれだけか?)からね。

 長男の学校の様子はヘッデルンハイムの様子と合わせて書くことにしよう。それにしても、明治以来、欧米にはたくさんの日本人が留学していろいろなもの持ち帰ったのに、どうしてファッシングは持ち帰らなかったんだろう。日本各地が日替わりで仮装しまくる月があったら面白かったのに。みんなで牛の着ぐるみ着たり黒マントに山高帽だったりピエロやカウボーイだったり姿三四郎だったりしたら、面白かったのに。

 さてついついまじめな考察を付け加えてしまいましょう。江戸時代、日本の都市住民(町人)はラテン系だったという説がある。「いき」を尊び、宵越しの金は持たず、火事と喧嘩と色事に人生の喜びを見いだして生きていたっていうんだな。歌舞伎と吉原と落語と銭形平次の世界ですね。だけど明治政府を担ったのは各藩の下級武士クラス出身者で、まじめだったんですね。だから軍隊と学校と科学技術は輸入したけれど、ファッシングは輸入しなかった。気がつくと、ラテン系の気質は失われ、仮装っていうとコスプレしか思いつかなくなっちゃったんですね。悲しいですね。

 


ファッシング(2月第1週)


 いかんいかん。更新が滞りがち。最近読んでくれる人が増えつつあるようで、そうなるとかえって緊張して気楽にかけなかったりして。いやいや、そういう色気がいかんのだ。

 先日、長男が学校から手紙をもらってきた。2月12日はファッシングのためお休みです、11日はみんな仮装して学校に来てください...とか書いてあるぞ。仮装? ファッシングは別名カーニバル。昔リンガフォンで(死語か?)ドイツ語を勉強してたとき、「ファッシングではすべての想像力のある仮装が受け入れられます」とかなんとかいう文がでてきたような気がするが、それはさておき、要するにファッシングというものがあるってことがこのとき我が家でも意識されたのだった。

 ドイツ人や日本人の知り合いに聞くと、「ファッシングはドイツの5番目の季節っていうんですよ」(ドイツ人の話)「ファッシングが近づくと、街に変な格好の人がうようよ出始める」(日本人の話)とかいって、フランクフルトはかなり派手にやるらしい。スーパーでも仮装用の衣装や小道具がたくさん売られ始めた。

 第2日曜日がフランクフルトのファッシングで、その二日後がなぜか僕らの住んでいる街区、ヘッデルンハイムだけの特別なファッシングらしい。なんでこの街区だけ特別なのかっていうと、ナポレオンにドイツが負けて...という時代の話になるらしい。とにかくそういうわけで、この2日間は街中ファッシングなのだ。

 学校から仮装命令のでているわが長男はどうするべきか。柔道着を着ればいいとか(持ってないけどね)いう人もいたけれど、本人はそもそも仮装に乗り気じゃない。結局スーパーみたいな服屋で黒いマントとカウボーイだか保安官だかの拳銃を買ったのだ。実際は拳銃だけがほしかったんだけどね。テントウムシ、ミツバチ、骸骨、死に神、牛、ライオンとかそんなところが売れ線のようだ。さてさてどうなることやら。

 フランクフルトのファッシング、詳細は明日(2月12日)掲載(予定)!

 

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